インド料理店のメニューを開くと、ビリヤニやカレーと並んで「タンドーリ・チキン」という名前をよく見かけます。鮮やかな赤橙色の鶏肉が焼き目とともに盛られている、あの料理です。
レシピ動画でも人気の高い一品ですが、似た見た目の「チキンティッカ」と何が違うのか、家庭でどう作ればいいのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
一言でいうと、タンドーリ・チキンとは、ヨーグルトとスパイスに漬け込んだ鶏肉を高温の窯で焼き上げるインドの伝統料理のことです。
この記事では、タンドーリ・チキンの意味や特徴、チキンティッカとの違いについてわかりやすく解説します。
タンドーリ・チキンとは
タンドーリ・チキンとは、ヨーグルトやスパイスに漬け込んだ鶏肉を、高温の窯で一気に焼き上げたインドの料理のことです。
名前の「タンドーリ」は、料理を焼く窯の名前「タンドール」に由来する形容詞で、「タンドールで焼いたもの」という意味を持ちます。
外側はこんがりと香ばしく焼き上がり、内側はヨーグルトの働きでしっとりとした口当たりになるのが大きな特徴です。
見た目の鮮やかな赤橙色も印象的で、インド料理を代表する一品として世界中で親しまれています。
名前の由来とタンドールとは
タンドールとは、円筒形をした粘土製や土製の窯のことで、内部に炭や薪を入れて高温に熱します。
窯の内側の壁に食材を貼り付けるようにして焼くため、全体に熱が回りやすく、短時間で中まで火を通すことができます。
タンドールの内部は400℃を超える高温になるとされ、この強い熱によって表面に焦げ目がつきながらも内部の水分は保たれやすくなります。
タンドーリ・チキンという名前は、この窯の名前と鶏肉(チキン)を組み合わせたもので、調理法そのものを表す料理名といえます。
使われるスパイスと材料
タンドーリ・チキンのマリネ液には、ヨーグルトを基本に、複数のスパイスが組み合わされます。
- ヨーグルト(肉を柔らかくし、スパイスをなじませる役割)
- レモン汁や酢(酸味と下味づけ)
- ガラムマサラ(複数のスパイスを合わせた混合調味料)
- クミン、コリアンダー
- チリパウダー
- ターメリック
- にんにく、しょうがのすりおろし
これらを混ぜ合わせたマリネ液に鶏肉を数時間から一晩ほど漬け込むことで、味がしっかりと染み込みます。
家庭で作る場合は、手に入りやすいスパイスを組み合わせたカレー粉やガラムマサラで代用することも多く、味の調整がしやすい料理です。
鮮やかな色がつく理由
タンドーリ・チキンの特徴的な赤橙色は、主にターメリックやチリパウダー、パプリカなどのスパイスの色によるものです。
店舗や製品によっては、より鮮やかな色を出すために食用の色素が加えられている場合もあります。
この色合いは見た目の食欲をそそる効果があるとされ、インド料理の中でも視覚的に印象の強い一品になっています。
タンドーリ・チキンの基本的な作り方
下ごしらえと漬け込み
鶏肉はフォークなどで表面に穴を開けておくと、マリネ液が内部まで浸透しやすくなります。
ヨーグルトとスパイスを混ぜ合わせたマリネ液に鶏肉を入れ、冷蔵庫で数時間以上漬け込みます。
漬け込む時間が長いほど味がなじみますが、一晩程度を目安にすると扱いやすい仕上がりになります。
焼き方
本来はタンドールの高温を利用して短時間で焼き上げますが、焼く工程自体は家庭の調理器具でも再現が可能です。
焼きすぎると肉が硬くなりやすいため、火の通り具合を見ながら焼き時間を調整することが大切です。
家庭でのタンドーリ・チキンの焼き方
家庭にタンドールはないため、オーブンや魚焼きグリル、フライパンなどで代用するのが一般的です。
オーブンを使う場合は、高温に設定して短時間で焼くと、タンドールに近い焦げ目とジューシーさを再現しやすくなります。
フライパンで焼くときは、表面に焼き色をつけたあとにふたをして蒸し焼きにすると、中まで火を通しやすくなります。
時間がないときは、マリネ液に漬け込む工程を前日の夜に済ませておくと、当日は焼くだけで済み、時短につながります。
タンドーリ・チキンとチキンティッカの違い
チキンティッカとは、ヨーグルトとスパイスに漬け込んだ鶏肉を一口大に切り、串に刺して焼く料理のことです。
タンドーリ・チキンとチキンティッカは、どちらもタンドールで焼くという点や、使うマリネ液の方向性が似ているため混同されやすい料理です。
主な違いは、肉の切り方と骨の有無にあります。タンドーリ・チキンは骨付きの大きな部位をそのまま焼くことが多く、チキンティッカは一口大に切った骨なしの肉を串焼きにする点が特徴です。
| 項目 | タンドーリ・チキン | チキンティッカ |
|---|---|---|
| 肉の大きさ | 骨付きの大きめの部位が中心 | 一口大に切った小さめの肉 |
| 骨の有無 | 骨付きが多い | 骨なしが多い |
| 調理の形状 | そのまま窯で焼く | 串に刺して焼く |
| 食べ方 | 手やナイフ・フォークで食べる | そのまま、またはラップして食べる |
なお、チキンティッカをさらに細かくほぐしてカレーソースと合わせたものが「チキンティッカマサラ」と呼ばれる別の料理になります。
タンドーリ・チキンと一緒に食べられる料理
タンドーリ・チキンは、ナンやチャパティといったインドのパンと一緒に食べるのが一般的です。
- ナン・チャパティ(主食として一緒に食べる)
- ミントチャツネ(さっぱりとした付け合わせ)
- スライスオニオンとレモン(口の中をリフレッシュさせる役割)
- ビリヤニ(炊き込みご飯と一緒に注文されることも多い)
インド料理店のコースでは、前菜やメインの一品として、カレーやビリヤニと並んで提供されることが多い料理です。
保存方法と食べ方のコツ
焼く前のマリネした状態であれば、冷蔵で1〜2日程度、保存袋に入れて冷凍しておくこともできます。
焼いたあとのタンドーリ・チキンは、冷蔵庫で保存し、できるだけ早めに食べ切ることをおすすめします。
温め直すときは、電子レンジだけだと肉が硬くなりやすいため、少量の水分を加えてから加熱すると、しっとりとした食感を保ちやすくなります。
忙しい日は、休日にまとめてマリネして冷凍しておくと、平日は焼くだけで済み、時短料理として活用できます。
タンドーリ・チキンに関するよくある誤解
タンドーリ・チキンは辛い料理だと思われがちですが、実際の辛さはチリパウダーの量によって調整されるため、店や作り方によって差があります。
また、鮮やかな赤色を見て着色料だけで色づけされていると思われることもありますが、ターメリックやパプリカなどのスパイス由来の色である場合も多くあります。
タンドールがないと本来の味は再現できないと考える方もいますが、オーブンやグリルでも家庭用のアレンジとして十分においしく作ることができます。
まとめ
タンドーリ・チキンとは、ヨーグルトとスパイスに漬け込んだ鶏肉を高温の窯で焼き上げたインドの伝統料理です。
名前の由来は調理に使う窯「タンドール」で、骨付きの大きな部位を丸ごと焼く点が特徴です。
一口大に切って串焼きにするチキンティッカとは、肉の大きさや骨の有無で見分けることができます。
家庭ではオーブンやグリルでも代用でき、前日にマリネしておけば当日は焼くだけで済むため、忙しい日の時短料理としても取り入れやすい一品です。














