チーズ専門店やスーパーのチーズコーナーで、丸い穴がぽつぽつと空いた不思議な見た目のチーズを見かけたことがある人は多いのではないでしょうか。
アニメやイラストでもおなじみのこの穴あきチーズですが、正式な名前や味わい、似たチーズとの違いを知らないまま選んでいる人も少なくありません。
一言でいえば、エメンタールはスイス発祥のハードタイプのチーズで、熟成中に生じる大きな丸い穴が最大の特徴です。
この記事では、エメンタールの特徴や味わい、選び方や保存方法、グリュイエール・ゴーダとの違いについてわかりやすく解説します。
エメンタールとは
エメンタールとは、スイス発祥のハードタイプのチーズで、牛乳を原料として作られます。
最大の特徴は、断面に点在する大きな丸い穴で、この穴は一般に「チーズアイ」と呼ばれています。
味わいはバターのようなまろやかさとかすかな甘み、ナッツに似た風味を持ち、クセが少なく食べやすいチーズです。
穴あきチーズの代表格として世界的に知名度が高く、日本ではスライスチーズとしても広く流通しています。
エメンタールの名前の由来
エメンタールという名前は、スイスのベルン州にあるエメンタール地方の地名に由来しています。
この地域で古くから作られてきた製法が受け継がれ、産地名がそのままチーズの名前として定着しました。
ヨーロッパには産地名をそのままチーズ名に使う例が多く、エメンタールもその代表的なひとつといえます。
穴(チーズアイ)ができる仕組み
エメンタールの穴は、熟成の過程で働くプロピオン酸菌という微生物の作用によって生じます。
この菌が乳酸を分解する際に二酸化炭素が発生し、その気泡がチーズの内部に閉じ込められることで丸い穴になります。
穴の大きさや並び方は、熟成の温度や期間など製造条件によって変わるため、品質を見る目安のひとつとされています。
ただし穴が大きいほど必ずしも良い品質とは限らず、味わいや香りと合わせて判断することが大切です。
エメンタールの味わいと香りの特徴
エメンタールは、バターのようなまろやかな風味とほのかな甘み、ナッツに似た後味が感じられるチーズです。
同じハードチーズの中では比較的マイルドで、強い塩味や刺激的な香りが少なく、食べやすい味わいです。
そのため、チーズが苦手な人や子どもでも取り入れやすく、幅広い料理に使いやすい点が魅力といえます。
エメンタールの熟成期間とサイズ
エメンタールは、一般に数ヶ月から1年程度の熟成期間を経て作られるとされています。
熟成が進むほど風味が濃くなり、穴の表情も変化していくのが特徴です。
また、伝統的な製法で作られるエメンタールのホールは直径が大きく、重量も相当なものになることが知られています。
店頭ではこの大きなホールから切り分けられたブロックやスライスの状態で販売されるのが一般的です。
エメンタールとグリュイエールの違い
グリュイエールも同じスイス発祥のハードチーズで、エメンタールとよく似た文脈で紹介されるため混同されやすい存在です。
大きな違いは外観で、エメンタールには特徴的な大きな穴がありますが、グリュイエールの断面には基本的に穴がありません。
風味の面では、グリュイエールのほうがナッツのような香りや塩味、熟成による濃厚さが強い傾向があります。
| 項目 | エメンタール | グリュイエール |
|---|---|---|
| 穴(チーズアイ) | 大きな穴が規則的にある | 基本的に穴はない、または小さい |
| 味わい | まろやかで甘みがある | 濃厚でコクが強い |
| 主な用途 | グラタン、サンドイッチなど | フォンデュ、グラタンなど |
フォンデュでは、両方を合わせて使うレシピも多く、まろやかさとコクのバランスを取る組み合わせとして知られています。
エメンタールとゴーダの違い
ゴーダはオランダ発祥のハードタイプに近いチーズで、日本のスライスチーズやプロセスチーズの原料としても親しまれています。
ゴーダの断面には、エメンタールのような大きな穴はなく、なめらかで均一な質感をしています。
味わいは、エメンタールが甘みとナッツ風味を感じさせるのに対し、ゴーダはミルキーでやや濃厚な旨みを持つのが特徴です。
| 項目 | エメンタール | ゴーダ |
|---|---|---|
| 発祥地 | スイス | オランダ |
| 外観の特徴 | 大きな丸い穴がある | 穴がなく均一な断面 |
| 味の傾向 | 甘みとナッツ風味 | ミルキーで濃厚な旨み |
エメンタールの選び方
- 断面の穴の大きさや並びに偏りが少なく、全体的に均一であるものを選ぶ
- 表面に乾燥やひび割れが目立たないものを選ぶ
- 香りを確認できる場合は、酸味が強すぎずまろやかな香りのものを選ぶ
- 用途に合わせてブロック、スライス、すりおろし済みなど形状を選ぶ
エメンタールの保存方法
エメンタールは乾燥しやすいため、ラップでしっかり包んでから密閉できる袋や保存容器に入れて冷蔵保存します。
カットした面は空気に触れると乾燥や風味の劣化が進みやすいため、使うたびに新しいラップで包み直すのがコツです。
長期間使わない場合は冷凍保存も可能ですが、解凍後は食感が変わりやすいため、加熱調理に使うのがおすすめです。
エメンタールの使い方・合う料理
エメンタールはクセが少なく溶けやすいため、加熱する料理にも生のまま食べる料理にも幅広く使えます。
- フォンデュのベースチーズとして
- グラタンやキッシュなど焼き込み料理のトッピングとして
- サンドイッチやバーガーの具材として
- オムレツやスクランブルエッグに混ぜ込んで
溶けやすい性質を活かして、少量でもコクを出したい料理に取り入れると時短にもつながります。
エメンタールの下ごしらえと切り方のコツ
エメンタールは、使う少し前に冷蔵庫から出して常温に近づけておくと、風味が感じやすくなります。
薄くスライスする場合は、よく冷えた状態で切ると刃に貼りつきにくく、きれいな断面に仕上がります。
グラタンなどに使う際は、細かく削るかすりおろすことで、少量でも全体に味や香りが行き渡りやすくなります。
エメンタールに関するよくある誤解
穴が大きいチーズほど高級、または熟成が進んでいるという見方がありますが、穴の大きさだけで品質を判断するのは難しい面があります。
また、見た目が似ているためエメンタールとグリュイエールを同じチーズと思い込んでいる人もいますが、実際には穴の有無や風味が異なる別のチーズです。
日本で流通する穴あきデザインのプロセスチーズも、必ずしもエメンタールそのものとは限らないため、原材料表示を確認するとわかりやすいです。
まとめ
エメンタールは、スイス発祥のハードタイプのチーズで、熟成中に生じる大きな丸い穴が最大の特徴です。
味わいはバターのようなまろやかさとナッツ風の甘みがあり、クセが少なく幅広い料理に使いやすいチーズといえます。
穴のないグリュイエールやゴーダとは外観も風味も異なるため、料理に合わせて使い分けると仕上がりの差を楽しめます。
保存の際はラップでしっかり包み乾燥を防ぐこと、使う前に常温に近づけることを意識すると、より美味しく味わえます。















