食品のパッケージや原材料名の欄を見ていると、「本品にはえび・かにを含みます」といった記載を目にすることがあります。
これは何のための表示で、どの食品にどこまで書く義務があるのか、疑問に思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
アレルギー表示とは、食物アレルギーを起こしやすい原材料が使われていることを、食品パッケージなどで消費者に知らせる仕組みのことです。
この記事では、アレルギー表示の意味や仕組み、特定原材料・推奨品目との違いについてわかりやすく解説します。
アレルギー表示とは
アレルギー表示とは、食物アレルギーの原因になりやすい原材料を、食品のパッケージや容器包装に明記する制度です。
食品表示法に基づく食品表示基準によって、対象となる原材料を使った食品には表示が義務づけられています。
表示を確認すれば、購入者は自分や家族が反応しやすい原材料が含まれているかを、食べる前にチェックできます。
⚠️ 健康・医療に関する大切なお知らせ
このページは一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。症状や治療など健康に関する判断は自己判断せず、医師・薬剤師など専門家にご相談ください。
参考: 厚生労働省 / e-ヘルスネット(厚労省) / MSDマニュアル家庭版 / 難病情報センター
アレルギー表示が必要とされる理由
食物アレルギーは、じんましんやかゆみなどの軽い症状から、呼吸が苦しくなるような重い症状まで、幅広く起こることがあります。
重篤な場合は、意識障害を伴うアナフィラキシーショックにつながる可能性もあるとされています。
そのため、原材料の情報を事前に得られる仕組みとして、アレルギー表示は消費者の安全を守る役割を担っています。
特定原材料8品目とは
アレルギー表示のうち、表示が法律で義務づけられている原材料のことを「特定原材料」と呼びます。
現在、特定原材料はえび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)の8品目です。
- えび
- かに
- くるみ
- 小麦
- そば
- 卵
- 乳
- 落花生(ピーナッツ)
これらは、アレルギー症状を起こす人の割合や症状の重さについての報告をもとに、対象として定められている品目とされています。
2023年にくるみが特定原材料へ加わった経緯
以前は特定原材料が7品目で、くるみは表示が任意とされる「推奨品目」の一つとして扱われていました。
2023年(令和5年)に、くるみによるアレルギー症状の報告が増えてきたことなどを踏まえて特定原材料に追加され、表示が義務化されました。
このように、アレルギー表示の対象品目はその時々の報告状況をもとに見直されることがあり、今後も変更される可能性があります。
アレルギー表示と特定原材料の違い
「アレルギー表示」と「特定原材料」は同じ場面で使われることが多く、混同されやすい言葉です。
アレルギー表示は、原材料の情報を消費者に知らせる制度全体を指す、より広い言葉です。
特定原材料は、そのアレルギー表示の中でも表示が義務づけられている8つの品目を指す言葉で、制度の一部にあたります。
| 項目 | アレルギー表示 | 特定原材料 |
|---|---|---|
| 指すもの | 食物アレルギーの原因原材料を知らせる制度全体 | 表示が義務づけられた8つの原材料 |
| 表示の扱い | 義務表示・推奨表示・注意喚起表示を含む | 常に表示義務がある |
| 具体例 | えび・かに以外にコンタミネーション表示なども含む | えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生 |
アレルギー表示と推奨品目の違い
特定原材料の8品目のほかに、アレルギー症状の報告はあるものの、義務ではなく表示が勧められている原材料があります。
これらは「特定原材料に準ずるもの」と呼ばれ、一般には推奨品目とも呼ばれています。
推奨品目には、アーモンドや大豆、バナナなど複数の原材料が含まれるとされており、具体的な品目や数については、最新の情報を確認しておくと安心です。
推奨品目は表示するかどうかが製造者の判断に委ねられているため、パッケージに記載がなくても、その原材料がまったく含まれていないとは限りません。
| 区分 | 表示の扱い | 主な品目の傾向 |
|---|---|---|
| 特定原材料 | 義務表示 | えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生 |
| 特定原材料に準ずるもの(推奨品目) | 任意(推奨)表示 | アーモンドや大豆など複数の品目 |
コンタミネーション表示とは
特定原材料を使っていない製品でも、同じ工場や同じ製造ラインで特定原材料を含む製品を作っている場合、微量に混ざり込むことがあります。
このような意図しない混入のことを「コンタミネーション」と呼び、注意を促すために「本品製造工場では、えびを含む製品を製造しています」といった注意喚起表示が行われることがあります。
コンタミネーションの注意喚起表示は、特定原材料の表示とは異なり、法律上の義務ではなく任意の取り組みとされています。
重い食物アレルギーがある場合は、コンタミネーションの記載がある製品についても、口にする前に確認しておくと安心です。
アレルギー表示の見方・確認のポイント
アレルギー表示には、原材料名の一つひとつの後ろにかっこ書きで示す方法と、原材料名欄の最後にまとめて示す方法があります。
例えば「小麦粉(小麦を含む)」のように個別に記載される場合と、「(一部に小麦・卵・乳成分を含む)」のようにまとめて記載される場合があります。
どちらの表示方法であっても、対象の原材料が使われていることを確認できるようになっています。
買い物の際は、原材料名の欄全体に目を通す習慣をつけておくと、見落としを防ぎやすくなります。
外食・中食でのアレルギー表示の注意点
スーパーやコンビニなどで販売される加工食品には、アレルギー表示が義務づけられています。
一方で、飲食店で提供される料理や、注文を受けてから作る惣菜などは、アレルギー表示の義務の対象外となる場合があります。
そのため、外食時にアレルギーが心配な原材料がある場合は、表示だけに頼らず、店舗のスタッフに直接確認することが大切です。
アレルギー表示でよくある誤解
「アレルギー表示がない食品には、アレルギーの原因物質が含まれていない」と考えてしまう人もいますが、これは正確ではありません。
推奨品目やコンタミネーションのように、表示が任意とされている情報もあるため、表示がないことが「含まれていない」ことの保証にはなりません。
また、アレルギー表示は食品表示法に基づく制度であり、健康食品やサプリメントなど、対象外となる商品がある点にも注意が必要です。
アレルギー表示を活用する際の注意点
アレルギー表示は便利な情報源ですが、これだけで食物アレルギーへの対応をすべて完結できるわけではありません。
食物アレルギーの診断や、除去すべき食品の範囲については、自己判断せず、医師やアレルギーを専門とする医療機関に相談することが勧められています。
症状が出た場合の対応方法についても、あらかじめ主治医と相談し、必要な準備をしておくと安心です。
まとめ
アレルギー表示とは、食物アレルギーを起こしやすい原材料を食品パッケージなどに明記する制度で、食品表示法に基づいて運用されています。
表示が義務づけられている特定原材料は、えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生の8品目で、2023年にくるみが加わりました。
特定原材料に準ずる推奨品目やコンタミネーションの注意喚起表示は任意であるため、表示がなくても原因物質が含まれていない保証にはならない点に注意が必要です。
食物アレルギーが心配な場合は、パッケージの表示を確認するだけでなく、医師などの専門家に相談しながら食品を選ぶようにしましょう。














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